HK-M500
GUNJO TARP
ITASHIBORI
FABRIC: SLIVER LIGHT
SIZE: 282~285×300
FUNCTION: 撥水加工、難燃加工
PRICE : ¥132,000(INTAX)
WEIGHT : 約1800g(袋収納時)
本体約1700g 日本製 井原製
1. デザインノート
「光欠片のタープ」
2年前世に出した「GUNJO TARP」
もう2年、まだ2年、、
2年前には想像もつかなかった反応をたくさんの人々から頂き
インディゴブルーが様々な物語を生み出してくれました。
今でもインディゴのブルーの深い青の魅力に憑りつかれたままです。
GUNJO TARPを使っていて機能的に気に入っている「色」
「濃紺」で抜群の遮光性を誇る色故に影が濃く
暑い夏の日差しの下でも涼しく過ごせる
カンカン照りの日差しの下、真っ黒の影の中頂く冷たい飲み物の
美味しさは何にも代えがたく、
濡れた時の「青の立つ」色味は得も言われぬ美しさです。
ただタープの下で感じる木漏れ日の揺れ動く影を
マットを引いて眺めたり、
移ろう光の濃淡を感じながら屋根の下でリラックスする
そんなタープの下での過ごし方も僕は好きです。
そんなGUNJOの存在を感じながら、「光」を感じる事が出来るGUNJOが出来ないか?
そんな事をいつのころか考える様になっていました。
まさかこの手法がGUNJOと繋がるとはだれも思っていなかったと思う
でも実は見た瞬間「これをタープに出来たら最高じゃないか」と思ってた
それから僕は「板絞り」の虜となり
どうしたら形に出来るか?そればかり考えていた。
2. インディゴ 板絞り染技法
「板絞り染め技法」とは着物の反物に柄を付ける
日本古来から伝わる染色技法で、
折りたたんだ生地を2枚の木の板で挟んでから染めていく染色技法の一つ。
手でぐしゃぐしゃと皴を付けて染めるいわゆる「絞り染め」とは違い
幾何学的でシャープな柄が表現できる。
板の形や畳み方を工夫することで「花」や「線」「格子」や「丸」等も描くことが出来る。
でもそれは着物に使う生地「反物」の話で
「反物」は幅が40センチぐらいが一般的。
使う板の「型」も10センチ弱
GUNJO TARPは幅も丈も約300センチ
大きさがこうも違うと
生地も型も大きくて
かかる手間が半端なくハードルが上がる。
しかも普通の染料では無く
「インディゴ染料」を使って、、
正直な所、工場にも何度も断られ
何度も「うちでは出来ない」と言われ
「無理か、、」と脚を止めていた
ではなぜここまで来れたか?
理由は
頼み込んで、頼み込んで、頼み込んだ。
現場に入り
自分で体を動かし
頼みこんで、頼み込んで、頼み込んだ。
そうしているうちに「気持ちが伝わった。」
出来た理由は
シンプルな話それだけ
世に無い物を世に出したい
無理してもいい仕事がしたい
胸が熱くなる物を届けたい
恐ろしく非生産的な手作業なので
だからたくさんの枚数は作れません。
3. 素材 SLIVER LIGHT
「綿ナイロン テントクロス」
縦糸が下晒しの白糸、横糸がナイロンのフィラメント糸の黒糸を使用した平織のテントクロス。
すべてコットンではタープとしての強度が不足、そして重量もコットンだけではそれなりに重くなる。
逆にすべてポリエステルやナイロンにすると板絞り染めが出来ないし。
そして難燃性も弱く、焚火の近くで使えない。
そのそれぞれのメリットデメリットを相殺するために、
「縦糸を綿、横糸をナイロン」を選んだ。
縦糸に綿を選んだのは「板絞り染めが出来て、難燃性を高める為」そして何より合繊では出せない佇まいがある。
横糸にナイロンを選んだのは「ポリエステルよりも強度の強いナイロンで綿の脆弱性を補うため」
さらにナイロンの中でも「フィラメント糸」と呼ばれる継ぎ目の無い糸を使うことでかなり強度を高めることが出来た。
横糸が黒のナイロン糸なので適度に光を透過し、
ソフトにディフューズ(拡散)してくれる
SLIVER LIGHT 直訳すれば「光のかけら」
光を纏い
太陽に透けるインディゴの青い格子柄は
美しい空の青と相まって青みを増すことだろう。
※写真は1stサンプルなので最終仕様とは異なります。
4. 仕様
・接続部分について
テープループ(外周)6か所
テープループ(中心接ぎ)3か所
グロメット(外周)10箇所
メインの接合部分の「四方」と「前後、中央」はPPテープで作ったループ(内径40㎜)
それ以外の補助接続部は直接ペグダウン出来たり、ロープを通してペグダウンできるように内径1㎝のグロメット(アイレット)を使用しています。
テープには野外のハードな使用環境でも劣化しない様に1.2㎜厚の厚手の物を選択し
テープに使用している材質「ポリプロピレン」は最高の耐熱性を誇り、比重が最も小さくて水に浮かぶという特徴。さらに耐薬品(酸、アルカリを含む)性に優れ、吸湿性が無いといった特長。とにかく「強い」物を選んだ。
・接合部補強について
テープやアイレットの接合部は使用頻度が多く、ハードな使用環境にも耐えうる補強をするために
「8号帆布」と言う布で補強しています。
「帆布」とはその名の通り、船の帆に使われていた大変強度の強い素材となっております。
・サイズについて
この商品は1枚ずつ手作業で「板絞り染め」を施しさらに「難燃加工」「撥水加工」等を施していますので
生地の縮みの個体差が生まれ、サイズに多少のばらつきが出ますことをご了承ください。
5. 撥水性
コットンやT/Cタープやテントの一番の弱点 「撥水性」
ポリエステルやナイロンは糸自体にあまり吸水性も無く、熱で圧力をかけて目を潰す「シレ加工」や
さらにアクリルやポリウレタン、シリコンなどを圧着するなど様々な機能の付与が簡単にできる。
しかし綿は水を吸い、一定量を含むとそれ以上水を吸わず溢れる。
そうして溢れた水が浸水する訳だが
その「吸水性を抑え、水を弾くことで浸水を防ぐ」方法
GUNJOシリーズは製品加工で最終工程に「撥水加工」を加工を入れている。
通常「撥水加工」は生地の状態で仕上げ剤として加工されることが多いが
生地で加工したものはストーンウォッシュなどを入れてしまうと撥水剤が落ちてしまう。
背景に「製品洗い加工工場」と言うジーンズ業界ならではの背景があるからこそ
製品になってから最終工程で撥水加工を入れられる。
だから「使い込まれたような表情を出すビンテージ加工 + 撥水加工」と言う相反する性質が同時に加工ができる。
それが我々ならではの合わせ技だ。
そして自然の中で使用する「アウトドア業界」は本来一番気にすべきだと思うが
「撥水性が強い事」ばかりをアピールをして 「環境負荷」の事をあまり喋らない。
GUNJOタープは作る責任をもって撥水剤にはPFOAやPFOSの含まれない、環境負荷の少ない薬剤を使用している。
そうすることで「耐久性」や「撥水性」は通常の剤よりは劣るが
撥水性が弱くなったらアイロンをしたり、市販の環境負荷の少ない撥水剤を噴霧したり
「手入れ」をしながら付き合ってほしい。
もちろん[ H.A.K.U メンテナンスサービス ] 相談してもらえれば
再加工や修理などの相談に乗るのでぜひ使ってほしい。
撥水検証動画
6. 難燃性
GUNJO TARPには自社工場で「難燃加工」を加工している。
昨今人気の「焚火タープ」「T/Cタープ」それの大体は「綿とポリエステル」でしっかりと厚みのあるタープの事。
それはポリエステルよりも綿が火が付きにくい事、そして火の付きにくさは「生地の厚み」などとも比例し
「綿混率の多い太い糸の生地」は「合繊混率の多い細い糸の生地」よりも火が付きにくい。
その事から「コットンテント」や「コットンタープ」は重い物も少なくない。
GUNJOTARPは「軽さ」も欲しかったので綿100%ではなく横糸をナイロンフィラメント糸にしている。
そして縦糸はロープインディゴ染色の30番手の糸で比較的細めの糸を使用。
ある程度の「軽さ」と「火の付きにくさ」を難燃加工でバランスを取っている。
下の動画はGUNJOTARPに使った「チタニウムブルークロス」を使って、難燃加工の有無での比較検証実験
「SLIVER LIGHT CLOTH」も基本的には同じ厚み、混率の生地で同じ加工を施している。
いわゆる「自社調べ」だが、機能性の参考にぜひ見てほしい。
<着火試験> 離れた火元から難燃加工の有無で「着火のしにくさ」を比較しました。
<燃焼試験> 火元を布に付け「着火」してからの燃焼時間の比較をしました。
見ての通り「加工あり」と「加工無し」では、着火のしやすさも燃焼の速度も「難燃加工あり」優位性を確認できた。
これだけ着火しにくければ、焚火の火の粉が多少接触しても未加工よりも穴が開くことは少ないだろう。
ただ燃焼試験で「難燃」は「燃えない訳では無い」事を再確認。
どんな素材でもそれが早いか遅いかで「燃えてしまえば燃焼する」
焚火は1000℃以上、火の粉は800℃ぐらいと言われるが、綿でもナイロンでもポリエステルでも難燃繊維でも頑張っても着火温度は300℃以下
そして火元が接触する時間が長いほど着火しやすい。
お気に入りのテントやタープに穴が開かない様にまずは火元から適切な距離を取ることをお勧めする。
「難燃」は「不燃」では無い事をお忘れなく。
7. プリントロゴサイン
ニホンオオカミをモチーフの
H,A,K,U MOUNTAIN SUPPLYのロゴ
顔料プリントで捺染している。
板絞り柄のインディゴブルーの少し濃い目の色味をプリントしているので
格子状の板絞り柄とバランスよく、
全体の印象を引き締めてくれる。
顔料なので使い込むうちに掠れ、馴染み
経年で変化する。
8. 遮光性
板絞りの柄は「染色」であり
プリントでは無いので、裏面も同じ柄が楽しめる「両面柄」
光が投下した時にその裏面の柄も光を通し
美しい柄を幕の下から眺める事が出来ます。
また、使用している素材「SLIVER LIGHT CLOTH」は
縦糸が白で「横糸が黒」のナイロンなので適度に光を拡散してくれ
幕の下は優しくも明るい状態を保ってくれます。
両面柄の為幕の中から
板絞り柄を感じることが出来ます。
夜はライトやランタンを灯すと
提灯の様に柄が透けて
浮き上がる姿も幻想的です。
<ダイヤモンド張り>
背中も釣り上げる事で屋根を高く
居住性を確保している
9. 収納袋
・【素材】 55デニールナイロンフィラメント 高密度タイプライター
・口を絞るコードに「ストッパー」が付きました。
・袋に入れた総重量 1800g (個体差あり)
・収納時サイズ 約420mm×130mm
10. 品質上の注意
GUNJOで使用している素材「SLIVER LIGHT 」はたて糸を天然繊維「綿」
横糸を合成繊維ナイロンフィラメント糸を使用した特殊な素材です。
特に綿糸の自然な細い部分が集めって太陽にかざすと小さな穴の様に見えたり、
そうゆう「天然繊維ならではの不均一」さが製品に現れる可能性がありますことを購入検討の方はご了承ください。
もちろんん許容を超えたものは裁断時に使用しないようにしています。
宜しくお願いいたします。
11. アフターサービス
ハクマウンテンサプライの製品は様々なフィールドで確実に機能し
出来るだけ長期間着用して頂けるように、生地選定やデザイン、加工を施しています。
しかし衣服である以上、着用する使用頻度、環境、摩擦や圧縮、
熱や湿度や紫外線などを避ける事は出来ず、
例外なく生地は脆化し劣化していきます。
その現実は受け入れつつ
その道具の寿命を出来るだけ長くすべく正しい使用法をアナウンスし
直る部分は出来る限りのメンテナンスを無償で対応しています。
それは我々のバックボーンが自社工場であり、生産者自身である誇りと責任です。
例えば、1年~2年使用するとどうしても撥水剤や難燃剤が落ち機能が低下してきますが
弊社カスタマーサービスに相談していただきますと
有償とはなりますが特別価格で撥水や難燃の「再加工」し新品と同等の機能性に復活
することも可能です。
そうする事で出来るだけ長い期間、経年変化を楽しみつつ、機能性をアップデートできる環境を利用頂ける様にしていきます。
<GUNJOのアフターケアについて>
□ GUNJOの製品は「経年変化を楽しむ事」が一つのコンセプトですが、使用頻度や経年により
インディゴの表情は美しく変化するにつれ、難燃の樹脂が落ち、機能が低下してきます。
それはどうしても避けられません。
しかし我々の「加工場」の背景を生かし、経年劣化した機能を「再加工」で蘇らせます。
有償とはなりますが、業務用の「洗濯、難燃、撥水加工」のセットでご提供可能ですので
機能をアップデートしながら長い間使ってもらいたい。
そんな想いをサービスにしました。
GUNJOTARP HK -M500 1枚 洗濯、撥水、難燃加工セット ¥10,000
TRANSFORM BAG HK-M501 1枚 洗濯、撥水、難燃加工セット ¥8,000
□ その他応相談、まずはご連絡ください。
□ 洗浄、加工を再加工しますので少しインディゴが落ちます。色味や濃度など多少の変化はご了承ください。
□ 加工期間は最長1ヶ月となります。
<修理品に関するお問い合わせ先>
タカヤ商事株式会社
営業時間 平日 月~金 10:00~17:00
TEL : 084-955-3601
MAIL : haku@fib.takaya.co.jp